光遺伝学の研究にノーベル生理学・医学賞

今年のノーベル生理学・医学賞は、光で神経の活動を制御する「光遺伝学」の研究に贈られる。カロリンスカ研究所が10月5日、受賞者3人を発表した。
受賞者は、米スタンフォード大学のカール・ダイセロス氏と、ドイツのペーター・ヘーゲマン氏、ゲオルク・ナーゲル氏。授賞理由は「光で開閉するイオンチャネルと光遺伝学に関する発見」だ。
ヘーゲマン氏とナーゲル氏は、光の方向へ泳ぐ単細胞の藻類クラミドモナスを研究し、2002年に光を受け取るたんぱく質を発見した。2人はこのたんぱく質を「チャネルロドプシン」と名付けた。
ダイセロス氏は2005年、チャネルロドプシンを使い、青色の光で神経の活動を切り替える技術を開発した。神経活動を千分の1秒単位で制御できるようになり、脳や神経の働きを調べる研究に新たな手段をもたらした。
研究では、マウスの神経を操作して水を求める行動を止めたり、逆に水を飲ませたりする実験が行われている。神経活動を光で制御する手法は、うつ病や統合失調症、パーキンソン病などの仕組みを調べる研究にも役立っている。
海外では、網膜色素変性症の患者を対象に、チャネルロドプシンの遺伝子を使う治療の臨床試験が始まった。日本では、ナノスコープ・セラピューティクスが遺伝性網膜ジストロフィー向けの遺伝子治療薬の製造販売承認を申請している。
賞金は1200万スウェーデンクローナで、3人で分ける。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれる。